私の記憶が確かなら、厚生労働省が旗振り役となって「会社員やサラリーマンらの副業・兼業を推進する」という方向性が打ち出されたのは2017年のことであった。
これを下級国民である私の言葉に変換するならば、
「いいかお前ら、お前らの所得は下がり続ける。だからお前ら、ダブルワークでも転売でもウーバーイーツでも何でもして、とにかく自分で稼げよ」
というものになるのであろう。
要するに、厚労省が2017年に出したメッセージには、働く人々の所得、つまり私たちの給料は増えていくことはないし、むしろ減っていくのだから、副業でも兼業でも何でもして自力で生き延びていきなさい、という意味が込められていると私は考える。
このメッセージは、公助から自助への明確なトレンド転換である。いささか専門的で申し訳ないが、FXのテクニカル用語で表現するのであれば「三尊天井からのネックライン下抜け」といっても過言ではないだろう。
2017年当時、そのような強力なトレンド転換を目の当たりにしながらも私は、何ら具体的な行動にでることはなかった。
ただ、「副業でも始めた方が良いのだろうか」などとノンキに考えながら、しがない会社員を続けつつ、時々ジャグラーを打っていただけであった。
しかし、ぬるま湯のような時間はそう長くは続かない。
季節は巡って2019年。それはまるで、事故のように突然やって来たのだった。いつもと変わらぬしがない会社員として、腑抜けた日常を過ごす私の顔面を、思い切りひっぱたくニュースが日本中を駆け巡ったのである。そのニュースとは、金融庁が出した下記のレポートである。
平均的な収入・支出の状況から年代ごとの金融資産の変化を推計。男性が65歳以上、女性が60歳以上の夫婦では、年金収入に頼った生活設計だと毎月約5万円の赤字が出るとはじいた。これから20年生きると1300万円、30年だと2千万円が不足するとした。
(日経新聞電子版 2019/6/3 より引用)
以上の内容を噛み砕いて、下級国民なりの私の言葉に変換するのであれば、
「いいかお前ら、きっちり年金を納めていても、老後に2000万円ほど足りなくなるから、とにかくお前ら、それくらい自力で何とか準備しておけよ」
というものになるのであろう。
このニュースに接した人で、かなりのショックを受けた方は多いのではないだろうか。もちろん私はその1人であった。
ちなみに、レポートを提出したのは金融庁であるが、そもそもレポートを提出させたのは安倍内閣の麻生金融大臣であった。そして、「私たちが望む内容ではないので、レポートは受け取らない」というスタンスを取ることになる。
まったく、おそろしいことである。
自らレポートを依頼したにも関わらず、出てきた数字があまりにも「マズかった」ため、レポートすら受け取らずに金融庁へ突き返してしまったのであった。このときの政権側の幕引きスピードは、とにかく速かった。
きっと、マスコミが騒ぎ出したからであろう。しかし、政権側のあまりにも速い幕引きからして、逆に不安を覚えられた方は多くおられたに違いない。もちろん、私もその1人で、
「ああ、本当に2000万円、足りひんのやろうな・・・」
と確信したほどである。
ちなみに、安倍政権の「ヤバい」ときの幕引きの速さ、華麗さは超一流である。これは私の推測ではあるが、「モリカケ問題」がずいぶんと長引いた事から学んだ教訓なのだろうと思う。
この幕引きの速さを逆指標にするならば、幕引きの速さが速ければ速いほど
「ヤバい案件である」
と言うことができるだろう。
そういう意味で、昨年ニュースを賑わせた「萩生田MINOTAKE発言」や、今でもくすぶり続けている「桜を見る会」を巡る問題の幕引きの速さも、電光石火の如くであって、まったくもって素晴らしいものがあった。
すなわち、「萩生田MINOTAKE発言」や「桜を見る会」は、安倍政権にとって「相当ヤバい案件」ではないだろうか、と私は考えている。
読者の方には大変申し訳ないが、ずいぶんと論点がズレてしまった。ついついSEOを意識するがために、記事の文字数を稼ぎたくなってしまい、どうでもよいことを書いてしまう。
話を本筋に戻そう。
つまるところ「副業推進」や「年金不足」というトピックは、それぞれ個別のニュースではあるが、その点と点を慎重に結び合わせていくと1つのメッセージが浮かび上がってくる。
それは結局、繰り返しになるが下記の通りである。
「いいかお前ら、お前らの所得や年金は下がり続けるから、ダブルワークでもアフィリエイトでもFXでも何でもして、とにかく自分で稼げよ」
と。
以上の内容を踏まえ、しがない会社員である私は決断を迫られていた。しかし、これと言って技術も能力も持ち合わせていない、愚にもつかない下級国民である。副業で金を稼げと言っても、一体全体、何をすればいいのだろうか。
焦れば焦るほど時間は過ぎていくばかりで、これといったアイディアは見つからない。兎にも角にも私は焦っていた。
しがない会社員としての上がらない給料
減らされていく月々の小遣い
家庭内での存在の耐えられない軽さ
働けども働けども、楽にならぬ生活
そんな経済的、精神的に追い込まれていく私に、追い打ちをかけるようにしてニュースが続々と飛び込んでくる。以下はすべて、2019年に起きたことである。
安倍政権の参院選勝利
天引きされる社会保険料の増額
終身雇用制度の終了
消費税10%へ増税
相次ぐバッド・ニュースの嵐の中、しがない会社員である私は相当な危機感を覚えたのであろうか。忍耐の限界を超えた、と言ってもいいのかもしれない。突然、ある考えが私の頭をよぎりブレイクスルーが起こる。
誤解を恐れずに言えばそれは「天啓」であったかもしれない。
「老後に不足すると言われる2000万円、FXで稼げばいいんじゃね?」
というわけで、FXで老後の年金を作ることができるのかを検証すべく、昼夜問わずにFXと戯れている昨今。
FXに用いるための軍資金10万円は、すでにジャグラーで稼ぎ出してある。確かに、荒唐無稽、絵に描いた餅であって馬鹿げた話ではあるのだろう。気は確かか、と問われても仕方がない。
しかし私は真面目に、この10万円を原資として2000万円を目指そうと決めたのである。作戦名はそのままで大変恐縮ではあるが、
「不足する年金2000万円を稼ぎだせ、FX10万円チャレンジ!」
とでもしておこう。
ゲームのルールは非常にシンプルである。原資を200倍にできれば、晴れて安心安全の老後を迎えることができる。逆に、軍資金が溶けてしまえば安心安全の老後を迎えることができない、というものである。FXでも何でも、ルールはシンプルに尽きるだろう。
最後に、しがない会社員が睡眠時間を削りながらも、こうして面倒くさいブログをわざわざ始めた理由をちゃんと記しておこうと思う。
率直に言って、副業ブロガーとして広告収入を得たいという気持ちが99%であり、残りの1%はログを残しておきたいという、単なる記録としてである。
これなら、FXで2000万円を稼ぎつつ、ブログで小銭も稼ぐことができるという、まさにしがない会社員が思いつきそうな、一石二鳥のアイデアであると言えるだろう。
以上、当ブログが始まった顛末を駆け足で紹介させて頂いた。ついでに自己紹介をと考えたが、今日はもうやめておこう。私に残された睡眠時間は少なく、明日はしがない会社員としての仕事が待っているのだから。
というわけで10万円が2000万円になるまで、もしくは0円になるまでの間、しばしお付き合い頂ければ幸いである。